記事公開日:2025年10月16日(木)
セキセイインコ(こちら)を飼っている。
鳥の餌といえば、こちらのような 植物の種子系の餌を想像する人が多いだろう。
このような餌はシード系と呼ばれる。
シード系の餌にプラスして補助食を与える飼い主が多い。
補助食は栄養価を補う目的や、人間で言うデザート的な目的など様々な種類が出ている。
著者は某鳥専門病院に通っているが、そこの主治医の話ではシード系の餌だけでは栄養価は不十分で、特にカルシウム・ミネラル・ビタミン類が不足しがちになるそうだ。
なのでシード系の餌が主食の場合は補助食は必要不可欠。
補助食として割とよく使われるのが「ネクトン」(こちら)と呼ばれる粉末状のビタミン剤で、まるで万能薬のように多くの飼い主が重宝していて、うちの鳥専門医も認めている製品。
湿気に弱く、すぐ変色するので保管上の難点はあるが、餌に直接ふりかけたり飲み水に混ぜたりできるので使い勝手が良い。
ただ主治医によると、本当はシード系の餌よりもあらゆる栄養成分が凝縮されたトータル的なペレットがほとんどの栄養価を補えるのでベストだとのことだ。
著者が通う鳥専門病院ではラウディブッシュ社(こちら)とハリソン社(こちら)、黒瀬ペットフード社(こちら)のペレットが販売されていた(通院歴のある人にのみ販売)。
主治医自身も鳥を飼っていて、ご自身の飼い鳥に使っているのはハリソン社のものだと教えてもらった。
ペレット食は言うまでもなく凝固された粒状のもので(中には粉末状のものもある)、犬や猫など他の動物の餌でもあるのでイメージできると思う。
じゃぁペレット食に切り替えれば良いね!
ただ現実は非常に厳しく、ひなの頃に覚えた味を主食とする子が多いため、ある程度成長した子にペレットを与えても食べない子がかなり多い。
これから鳥を飼うことを考えている方は、ひなの挿し餌のうちからペレット食(ひなの間は粒状ではなく粉末タイプ)を与えて味を覚えさせると良い。
成長した鳥についても諦める必要はなく、最初は主食とする餌にペレットを混ぜるところから始めれば良い。
いきなり主食並みに入れてしまうと警戒する子もいるため、あくまで主食の補助で少し混ぜる程度に。
ペレットだけ見事に食べ残したり、わざわざ餌入れの外に放り出す子もいるが、気長に継続することが重要。
ペレットを粉砕し、先述の「ネクトン」のように粉末状にして主食の餌にふりかけるのも有効だと思う。
粉末状にすると、主食の餌を食べた時に少なからずくっついて口に入る。
それを繰り返しているうちに味を次第に覚え、徐々に慣れて移行に成功する可能性がある。
うちは3〜6カ月かけて少しずつシード類からペレット食の移行に成功した子もいれば、1週間で移行できた子もいる。
これは本当に個体差であり、実際に移行を始めてみないとわからない。
ちなみに1週間で移行できた子は、我が家では最年長となる6歳を超える子(メス♀)。
以下の動画の子がそうだが、ペレット食へ移行中の様子を収録したものではないのでご了承を。
URL:https://www.youtube.com/playlist?list=PL0KSoE1ZIKXHpCxIbnOpZSXUgepFd8rZQ
6歳になるまではシード類と補助食しか与えてこなかった。
さすがに開始2日間は一切ペレットに手を付けず、主食のシードだけを口にしていた。
粉末状にして主食に混ぜる形に変えたら、やや戸惑い?警戒?しつつも4日目から少しずつ食べるようになった。
意外と好みの味だったのか、受け入れざるを得ないと思ったのか、5日目に少しペレットの量を増やしてみたらゆっくりながらも食べるようになり、6日目にはさらにペースが上がってきたので分量をさらに増やした。
7日目にペレット食だけを入れて様子を見たら、従来のシード類と同様のペースで完食したので、8日目以降ペレット食のみを継続。
順調に食してくれたので1週間で移行が完了した。
これには驚いたが、やはり個体差があり実際に始めてみないとわからない。
とにかく気長に継続すること!
1週間で切り替えに成功した子はもともと食いしん坊で、あらゆる食べ物に関心を持つところがあった。
我々飼い主が何か食べ物を手に持っていたり、口をモグモグさせていると鳥カゴの柵にしがみつき、鳴いてアピールしたり関心を持って寄ってくる。
超食いしん坊だった点が幸いしたのかもしれない。
同じような状況の子は移行が早いかもしれないので、是非少しずつ段階を踏んで切り替えにチャレンジしていただきたい。
うちで与えてみたペレットは、「ラウディブッシュ社のデイリーメンテナンス・二ブルズ」(こちら)と、「リトルバードセレクション セキセイインコ用」(こちら)というもの。
これらのペレットがオススメということではなく、このメーカーのペレットだから食いつきが良い!というわけでもない。
そこも個体差があり、好みの味は与えてみないとわからないが、主治医からの助言はあまりコロコロと品種や餌の内容を変えるのは良くないとのこと。
せっかく味を少しずつ覚えようとしているのに変えてしまうと混乱・ストレスになったり、余計に警戒して手を付けなくなってしまう可能性があるという。
著者が使っているペレット以外にも様々なペレット(こちら)が出ているので、内容確認の上でお探しになることをオススメする。
そして一度選んだら、短期間にむやみやたらにペレットの種類を変えないこと。
特に注意すべきことは、開始当初からいきなり主食を取り除き、すべてペレット食だけにするというのは絶対にしないこと!
ペレット食だけにすれば、必要に迫られて食べるのではないか?と思われる方もいると思うが、鳥専門医によるともちろん個体差はあるが、そんな状況下になっても嫌いな餌は一切食べない子もいるとのこと。
ペレットを食べるようになるまでは、あくまで主食に少しずつ補助する程度に与えること。
セキセイインコが1日に摂取しないといけない最低限の餌の量は体重の10%。
体重が30〜35gの子だと3.5〜4gは摂取しないといけない。
まったく餌を口にしていないとあっという間に体重が減少し、健康のためにペレット食に切り替えるはずが逆行することになる。
また一見ペレットを食べているように見えても、実際は餌入れの外へ放り出したり、突っついて砕いて撒き散らしているだけだったということもよくあるため要観察!
与える前に餌のg数を測り、数時間おきに減っているか測定し、餌入れの外へ放り出していないかも確認。
さらには1日1〜2回程度、体重も測るようにすれば確実。
体重の変動がなければ最低限は摂取できている、増えていれば確実に摂取できていると言える。
状況を要観察しながら、気長に少しずつシード類からペレット食へ移行してみてはいかがだろうか。
鳥は低温環境下や羽の生え変わり時期(換羽期)に体力を多く消耗し、特にこれらのタイミングが重なりやすい冬場は要注意。
保温をしっかりしていても、栄養価が不足した状態だと当然免疫が落ち、体調不良や病気になりやすくなる。
そういう状況にならないためにもペレット食でトータルケア。
ペレット食は栄養価が揃っている分、シード類より価格が高いが、健康への投資だと思って切り替える意味は十分あると思う。
人間と同様、特に高齢になればなるほど通院の機会が増える。
健康を維持することで、健康診断以外で通院する回数を減らせると思う。
通院が長引けば数万円とかかるので、それに比べたらペレット食の価格なんてはるかに安い。