記事作成日:2020年10月07日(水)
最終更新日:2023年01月08日(日)
最終更新日:2023年01月08日(日)
【まずはじめに】
当記事は、実際のやり取りに近くなるように、各業者とのやり取りを会話形式で事細かく書かせてもらっている(ただし一言一句忠実に書き起こしているわけではない)。
近年、インターネット回線の契約を巡るトラブルをよく耳にする。
トラブルを防止するために規約というものがあるが、私が経験したトラブルは規約に載っていない微妙な部分で起こった。
会社のインターネット回線のコスト削減を目的に契約変更を行った時だった。
元々、うちはNTT東日本・西日本(以下、NTT東西)が提供する光回線「フレッツ光」と、某インターネットサービスプロバイダー(以下、某ISP事業者)を使っていた。
NTT系のインターネットの場合、利用場所からインターネットの入り口までの回線をNTT東西が担当し、入り口から先のインターネット部分の回線はISP業者が担当するため、NTT東西とISPの両社と契約し、料金もそれぞれに支払わないとインターネットが利用できない。
2015年2月、NTT東西が新たな光回線販売ビジネスとして、「光コラボレーション」(以下、光コラボ)というサービスを開始した。
光コラボを簡単に説明すると、これまでNTT東西が1回線単位で直接ユーザーへ提供していた光回線「フレッツ光」を、企業向けに複数回線単位でも卸売りできるようにし、それを仕入れた企業(光コラボ事業者と呼ばれている)が独自のサービスと組み合わせてお得な料金で販売したり、「○○光」というように独自のブランド名で販売できるようにしたビジネスモデルである。
NTTドコモの「ドコモ光」や、ソフトバンクの「SoftBank光」がこれに相当し、他にも何百社もの事業者が参入している。
参入事業者は必ず通信事業者である必要はなく、NTT東西が定める条件さえクリアすれば業種は問われない。
利用者からの問い合わせ窓口は光コラボ事業者が設置・運用するが、回線の品質管理や技術的なサポートはNTT東西が引き続き行うため、どこの企業がどんなブランド名で光回線を販売しようが、光コラボ回線である以上は中身はフレッツ光と全く同じである。
光コラボの詳細は →→→ こちら
ISP業者が光コラボ事業者になった場合、光回線部分もISP部分も合わせて直接ユーザーへ提供できるため、1社と契約するだけで済む。
その新しいビジネスモデルにうちの会社がよく利用している業者(以下、A社)が光コラボ事業者として参入し、A社の既存のサービスと光回線(以下、A社光)のセット契約を条件に、大幅に割り引くというスタイルで販売を開始した。
* Aは実際の企業名とは全く関係なく、頭文字でもないので誤解なきよう。
今より料金が安くなる上、現在使っている某ISP事業者との契約と設定内容を完全に維持したまま、A社光に申し込み・乗り換えができるというのを売りにしていた。
しかも某ISP事業者の利用料金はA社光の基本料金に含まれるとのことで、支払い先もA社のみとシンプルになるというのだ。
フレッツ光回線から光コラボ回線に乗り換えることを「転用」と呼んでいる。
うちの会社の回線は法人契約なので、某ISP事業者への支払いだけでも月に数万円発生していた。
それにさらに法人向けのフレッツ光回線の利用料金も乗ってくる。
個人向けの回線だと、フレッツ光回線+ISPを合わせても月額4,000円~6,000円ほどなので額が1桁違うし、ISPへの支払いだけで個人向けの総額を超えている。
A社光に乗り換えることで、かなりのコストカットが期待できそうなので社内で検討。
最終決裁者の承認を得たので、私を中心に進めることになった
6月1日、A社店舗(支店)に直接出向き契約。
実際の日付けとは異なるが、時系列で説明する必要があるため設定する。
フレッツ光 → A社光の場合は物理的な工事の必要がないので、ネット接続が途切れる期間が一切発生しないのも魅力的だった。
【ネット接続が途切れない理由】
フレッツ光:NTT東西 → 一般ユーザー
A社光:NTT東西 → A社(某ISP契約セット) → 一般ユーザー
NTT東西と一般ユーザーの間にA社が入るだけで、元を辿ればNTT東西である。
A社店舗:後日弊社からお客様へA社光の各種書類(契約書・会員証・サービス概要・設定マニュアル・規約集など)を送付する。お客様の場合は光回線の新規加入ではなく、現在のネット環境をそのままに契約を移すだけの事務的なものなので、配線工事や回線切り替え工事は必要ない。書面上の「工事日」の表記はすべてA社光の「利用開始日・契約日」と読み替え、フレッツ光からA社光に切り替わる日だと思ってほしい。申し込み日は本日(6月1日)。お客様の社屋への訪問や立ち会いも不要で、通常通りの業務と外出をしてもらっても大丈夫だ。ただ工事が発生しない場合でも、事務上の決まりで利用開始日は申込み日から最低14日はもらっているので、最短でも6月15日以降になると思ってほしい。混雑状況によっては、もう少し先になる可能性がある。各種書類と一緒に工事日の通知書も同封するので、それをもってお客様の利用開始日が確定する。日付けは弊社の方で決めるが、申込み内容や利用開始日変更の場合は、利用開始3日前までに工事専用窓口まで連絡してほしい。
ちなみにNTT東西のフレッツ光回線の契約がない状態からA社光を申し込んだ場合は、物理的な回線工事が必要なため「工事日」は実際に工事が行われる日となる。
その場合、作業員の宅内立ち入りも必要になるため在宅が必要。
A社店舗:A社光の利用開始日が月の途中(毎月1日以外の日)の場合、利用開始月のA社光の月額料金は日割り計算になるが、某ISP事業者の方は月途中でもA社光に切り替わる前のコースの料金が1ヶ月分かかり、日割り計算はないので注意してほしい。またISP事業者によってはフレッツ光コースから他のコースへ変更した場合、同一ISP内のコース変更でも違約金が設定されているケースがあるので、A社光利用開始までに某ISP事業者側に必ず確認してほしい。
この説明はパンフレットと規約にも明記されていた。
申し込みからちょうど1週間後の6月8日、A社光の各種書類が届き、開通日が6月20日になった。
ただ月の途中だと某ISP事業者の方の契約が中途半端になるので、キリが良いように7月1日に変えてもらうことにした。
書類が届いた即日、A社光の工事専用窓口に連絡。
A社光工事窓口:工事日の3日前まで(うちの場合は6月20日開通予定なので17日まで)なら、日程・契約内容の変更や契約自体のキャンセルが可能だ。日程変更の場合、工事予定日より前倒しはできないが先延ばしは可能。
私:では、6月20日 → 7月1日 へ変更で。
それから某ISP事業者にも念の為連絡を入れた。
私:フレッツ光からA社光に乗り換える。7月1日から利用開始の予定で契約も済ませた。事前に御社へ連絡して問題点がないか確認しておくようにA社から言われた。ISP契約が自動的にA社光に組み込まれ、セットになると聞いているが、本当にこちらから御社への手続きや申し出は不要か?
某ISP事業者:A社の案内通りだ。特にお客様からしてもらうことはない。
私:今回のコース変更で違約金の発生はあるか?
某ISP事業者:お客様の場合は違約金の発生はない(現在利用中のコース加入時に、一定条件付きの特典を受けて契約した場合は違約金が必要になる場合があるので必ず確認をオススメする。特に法人契約は特典の有無に関わらず設定されている場合が多いので注意!)。
私:念の為に尋ねるが、違約金以外で何か条件が付いたり、注意すべき点はないか?うちは法人契約なので、業務に支障が出ないか事前に確認しておく必要がある。ネット接続だけでなく、現在契約中の一部サービスが利用できなくなるとか、一部オプションサービスが付けられなくなるとかが1つでもあると困る。
某ISP事業者:どちらも特にない。今の環境のまま利用可能なので安心してほしい。
これで準備は整った。
利用開始日を月の初日にすれば、A社光の日割り計算は必要なくなり、某ISP事業者からの請求も切り替え前の6月分できっちり止められ、会社の経理上も分かりやすくなるだろうという目論見だった。
予定通り7月1日付けでA社光に切り替わり、ネット接続もその他某ISP事業者と契約中のサービスにも異常がないことを確認した。
8月以降からA社から請求が来るようになり、請求額もA社の説明通りで7月1日利用開始にしたことで、7月利用分が日割り計算なしで請求されていた。
これで問題なく切り替えられた!
それから数日遅れて某ISP事業者からも書面が届いた。
「フレッツ光対応コース → A社光対応コース」へコース変更の契約書面と切り替え完了の通知書だろう。
そう思って中身を確認すると・・・半分予想通り、半分予想外だった!
コース変更の書面が入っていたが、7月利用分の請求書も同封されていたのだ。
A社の説明ではかかるはずのない某ISP事業者の7月利用分の料金が、A社光利用開始月にも発生していたのである。
【A社の説明】
*6月利用分
フレッツ光(NTT東西)の月額料金+某ISP事業者の月額料金
*7月利用分
A社光の月額料金(某ISP事業者の月額料金を含む)
【実際に来た請求】
*6月利用分
フレッツ光(NTT東西)の月額料金+某ISP事業者の月額料金 → 説明通り
*7月利用分
A社光の月額料金(某ISP事業者の月額料金を含む)+某ISP事業者の月額料金 → 説明と異なる
A社光を7月初日に利用開始にしたので、某ISP事業者の方は7月利用分の請求自体が発生しないはずだ。
某ISP事業者側のミスで二重請求になっているか、A社 → 某ISP事業者への連絡自体を失念したとしか考えられなかった。
今回のA社との契約では、A社光の申し込みをすれば某ISP事業者への連絡は全てA社が代行することになっていた。
先述の通り、念の為某ISP事業者の窓口に問い合わせた際も、「特にお客様からしてもらうことはない。」と明確に回答をもらっている。
しかもA社は「フレッツ光 → A社光へは現在ご利用中の回線環境のまま楽々お乗り換え!」と売りにしていた。
これでは全然「楽々お乗り換え!」になっていない!
ただ料金を請求してきているのは某ISP事業者側だったので、とりあえず某ISP事業者側へ連絡した。
私:7月1日からフレッツ光からA社光に乗り換えた。A社の説明では7月分からはA社光に切り替わるので、A社光の請求のみになると聞いていた。ところが7月分も御社からの請求が来ている。A社光の利用料金の中に御社のISP利用料金は含まれているはずなので、7月分が請求されるのはおかしく、2重請求になっているのではないか?
某ISP事業者:確かにお客様はA社光を契約済みで、A社からの連絡も来た。A社光対応コースへの切り替えは8月分からとなるので、7月分まではフレッツ光対応コースになるため1ヶ月分の料金がかかっている。8月分からはA社光の月額料金にISP利用料金が含まれるので、7月分で弊社からの請求は最後となる。
私:A社光の利用開始日は7月1日なので、御社のコースも7月1日からA社光対応コースへ変更になるはずだ。何故1ヶ月遅れて8月1日開始になるのか?A社の説明ではA社光の利用開始が月途中の場合は、その月の利用分までISPの月額料金が日割り計算なしで1ヶ月分発生すると言っていたが、私は月途中ではなく7月1日に開始したので、その説明には該当しない。
某ISP事業者:弊社ではA社側からの連絡を受けた月の翌月からコースが切り替わることになっており、弊社内の他のコース間の変更の場合でも同様、申し込み月(ネット申し込みの場合)または申し出月(電話等で手続きの場合)の翌月からの切り替えとなる。これは弊社独自のルールだ。今回はA社から弊社にお客様の連絡が入ったのが6月ではなく7月だったので、月途中でのコース変更はできず翌月の8月利用分から変更の手配をした。なので7月利用分までは従来のフレッツ光対応コースとなるため月額料金が発生している。A社からの連絡が6月中に入っていれば7月からの変更でいけたのだが・・・。
私:A社光切り替え後に支障が出てからでは手遅れなので、念の為、切り替え前に私から御社の窓口へ電話をした。事前に注意すべき点はないか質問をさせてもらったが、御社オペレーターは「特にない」と返答した。御社に独自のルールがあるのなら、この時に注意事項として案内すべきだったのでは?わざわざ注意事項はないかこちらから確認をしているのに、「特にない」と言い切った御社側に問題があると思う。このやり取りは御社の録音記録にもきちんと残っているはずなので確認してもらっても構わない(企業のコールセンターはお客とのトラブル発生時に備えて会話の録音を残しているところが大半である)。御社が言う「A社からの連絡を受けた月の翌月からコース変更になる」とか「独自ルールがある」という文言は、A社光の規約を何度も見直したが一切見当たらない。契約手続きの時に出向いたA社店舗でもそういった説明はなかった。A社光切り替え完了後にいきなり「弊社独自のルール」なんて後から言われても納得できない。御社オペレーターの案内、A社側の説明や規約のいずれにも無い案内になるので、7月利用分のISP料金の返金を求める。すぐに無理なら、御社とA社の間でしっかり協議して責任の所在をはっきりさせてから対応してほしい。
某ISP事業者:弊社オペレーターがそのように回答したにも関わらず、このような事態になり申し訳ない。
オペレーターはかなり申し訳なさそうな口調で言った後、考え込んだ様子でしばらく黙り込んでしまった。
私:個人契約ならISPの利用料金と言っても1ヶ月1,000円程度の話。これならまだ諦めが付くし、ここまで追求しないが、法人契約だから1ヶ月だけで数万円も違ってくる。しかも私個人ではなく会社のお金。会社全体に関わる話だし、数万円の額を私側のミスでもないのに負担する訳にはいかない。
某ISP事業者:それはおっしゃる通りだ。ただ、当時のお客様と弊社のやり取りもきちんと調査する必要があるので、少々離席させてほしい。
恐らく上席の社員と相談か、当時の録音記録の確認をしていたのだろう・・・20分近くも待たされた。一生懸命調べてくれているのは評価するが、一旦電話を切ってかけ直すという考えはなかったのだろうか・・・。
某ISP事業者:当時の状況確認をしたところ、お客様の申し出通りのやり取りが確認できた。ただA社光に関しては弊社はA社からの指示のもとでしか動けず、弊社からA社に連絡をすることができない。A社から連絡が来ない限り、弊社独自で手続きは進められない。そのため、今回のようにお客様がA社よりも先に弊社にコース変更の事前連絡をされても、弊社としては何も対応できなかった。今回はA社からお客様のコース変更の連絡を受けたのが7月だったため、その連絡を受けてから指示通りコース変更の手配をした。大変申し訳ないが、弊社としてはA社との決まりに従って適切に対応したという回答になる。当時の弊社オペレーターの案内の件は本当に申し訳ないが、今回は誤った案内の有無に関わらず、A社光の制度による制約で発生した問題だと考える。A社が弊社に連絡をしたタイミング(何故6月中にISP業者へコース変更の連絡を入れなかったのか)や、A社光の制度自体(A社からの連絡がない限りISP事業者側は一切動けない制度)の話になるので、お客様からA社側に話を持ちかけてほしい。
私:私の方からA社側に連絡?あなた方の不備なのに、どうして客側が指示されて動かないといけないのか。御社からA社に連絡して両社間で話し合うべきことだ。うちは完全にあなた方2社の間に挟まれている。
某ISP事業者:大変な状況は察するが、弊社からA社へは連絡できない。理由はA社光に関して制約があるためだ。A社から連絡がない限り、弊社からは何もできない。A社から弊社にお客様の契約情報の照会があった場合は動けるが、その逆はできないし相談を持ちかけることもできない。またA社と弊社間では、お客様の個人情報はA社光の手続きに必要な部分に限ったやり取りしかできず、それ以外のやり取りは一切認められていない。個人情報保護の観点から、提携事業者同士であっても必要以上の情報のやり取りは出来ない仕組みになっている。
私:ではA社に連絡して確認する。1点だけ確認だが、A社から御社へうちのコース変更の連絡が入った日付けは?
某ISP事業者:7月15日付けだ。
私:それは遅すぎる!
某ISP事業者:お客様がA社光の申し込みをした日付けは?
私:6月1日だ。
某ISP事業者:ということは、A社から弊社への連絡に1ヶ月半(6月1日~7月15日)もかかっている。我々も遅いと感じる。
私:1つ思い当たるのは、A社光の工事日を一度変更したこと。6月8日にA社から封書が届いたが、A社光の利用開始が6月20日になっていた。7月1日の方がキリが良いと思い、即日にA社光の工事窓口に電話連絡を入れて変更してもらった。
某ISP事業者:それにしても、お客様が変更の申し出をした6月8日~7月15日でも1ヶ月以上のブランクがある。6月末まででも20日以上ある。仮に申し込み状況が混雑していたにしても、我々ISP側からすれば時間がかかり過ぎていると感じる。お客様からA社に連絡の時、その時間差が発生した理由を確認した方が良い。
私:もちろんその件はA社に確認を取る。しかし御社にも改善すべき点があり、悪いのはA社だけではない。規約にコース変更の際の注意事項(A社から連絡を受けた月の翌月からコースが切り替わる件)を記載しなかった点は完全に御社の過失だ。どうして明記しなかったのか、社内でしっかり議論してほしい。そしてA社ともしっかり連携して、今後は規約に明記するようにしてほしい。
某ISP事業者:上席に伝え、社内でも共有する。
某ISP事業者との40分近くのやり取りを終え、仕方なく私の方からA社へ電話。
事の経緯を一通り説明した。
A社本部:それは某ISP事業者側の案内ミスの問題なのでは?ISP事業者とお客様とで話し合ってほしい。
私:某ISP事業者にはA社光に関することは全てA社の指示のもとでしか動けないので、A社に対応を求めてくれと言われた。彼らの言い分は、A社の指示のもとで動いた結果起こったトラブルとのことだ。それとA社光が7月1日に開通しているのに、A社から某ISP側への連絡がどうして開通前の6月中にいかなかったのかを疑問に思っている。私が御社支店に出向いて光回線の申し込みをしたのが6月1日。一度工事日を変更したが、早期に連絡しておく必要があると思い、御社から工事予定日の書面を受け取った6月8日当日に御社の工事専門の窓口へ連絡を入れている。某ISP事業者によると7月15日にA社から連絡があったそうだ。6月8日~7月15日の1ヶ月以上もの間、御社は何をしていたのか?某ISP事業者の担当者はそこが気になると言っていた。私も気になっている。それとA社光の制度自体の話になるので、A社と私とで話し合いをしてもらうしかないと言われた。この件では既に結構な時間を割いているので、これ以上は勘弁してほしい。早期にお願いしたい。
某ISP側の主張をそのまま伝えると、ようやくA社本部が窓口になってくれることになった。
A社本部:どのように対応可能か、弊社から某ISP事業者側へ連絡を取ってみる。ただ弊社としても今回のお客様との契約に関して、これまでのやり取りや状況確認をする必要がある。事実確認が取れてからの協議となる。少々時間がほしい。調査にどれくらいかかるかも現時点でははっきり言えない。
きちんと調べて、きちんと対応してくれるなら、どれだけ時間がかかっても構わないと思ったので、A社からの調査結果を待つこととした。
その数日後、A社本部から電話が入った。
A社本部:某ISP事業者と協議の結果、弊社の方で全面的に対応することになった。お客様がA社光の手続きをした店舗(支店)が全面的に対応する。本日中に店舗の責任者からお客様へ直接連絡し、謝罪と今後の対応について説明したい。
すると即日、A社の支店長を名乗る人物から電話があった。
A社支店長:お客様の手続きを担当した当時の店員に事情聴取を行った。その中で、当該店員が某ISP事業者のコース変更に関して独自ルールがあることを把握できておらず、きちんと案内できていなかったことがわかった。我々の認識不足だ。結果的に誤った案内をしたので、お客様が余分に支払うことになった某ISP7月利用分の月額料金を、店舗側の負担で全額返金することで許してもらえないか?
某ISP事業者やA社本部ではなく、あくまでA社店舗の認識不足と案内ミスが原因で起こった事案と判断されたようだった。
上記会話は要点のみに絞ったが、実際には支店長から何度も謝罪の言葉があった。
しかし続けてこうも言っていた。
A社支店長:実は店舗側も某ISP事業者のコース変更の切り替わりのタイミングに関して、独自ルールがあるという報告を本部より受けた覚えがなく、A社光の規約集や社内共有情報を再度見返したが、そういった記載は一切見当たらなかった。無責任な言い方で申し訳ないが、正直なところ寝耳に水だった。お客様のような被害は規約の隙間で起こった非常に稀なケースで、恐らく弊社本部も某ISP事業者も想定できなかったのではないか?と私個人としては感じた。でも本部が私たち店舗側のミスだと最終判断したので・・・。今後は「フレッツ光 → A社光への乗り換えに際し、各ISP業者毎に独自ルールを設けている場合もあるので、A社光利用開始前に必ずお客様からISP側に確認を」と、店舗独自の判断でお客様に案内とお願いをすることにした。
A社支店長の対応は完璧だと思った。
A社本部と某ISP事業者との連携や対応にも少なからず問題があるのは、私だけでなくA社支店長も感じていたのだ。
私も店舗側の責任とは思えず、独自ルールが存在することを規約に載せなかったA社本部と某ISP事業者に問題があり、両社の連携の不十分さと規約策定時の詰めの甘さが原因で発生したと感じた。
実際、A社光はNTT東西の光コラボの発表直後、かなり駆け足でサービスの参入を発表し、会員募集を開始した。
A社は非常に多くのユーザーを抱えている企業のため、A社光の開始でうちのように割引き効果を期待して申し込んだユーザーが殺到した。
その結果、混雑で遅延が発生し会員証など重要書類がなかなか届かなかったり、工事日が決まらないといったトラブルが多発した。
状況を確認するにも問い合わせ窓口がパンク状態で、途方に暮れたユーザーが多かったと聞いた。
サービスをいち早く開始したかったのはわかるが、急ぎ過ぎた悪影響が消費者を困惑させることになったと思う。
このような状況を見ていると、規約策定が細部まで十分考慮されたものになっておらず、不完全な状態のままサービスが始まってしまったという印象を持たれても仕方がない。
私が申し込んだ時はその混乱から4ヶ月ほど経過していたが、もしかするとまだ混乱が続いていたのかもしれない(一応、この混乱期を避けて契約したつもり)。
某ISP事業者に独自のルールが存在するのであれば、「ISPによってはコース変更の際に独自のルールを設けている場合がある」とか「ISPのA社光対応コースへの変更は、ISP側がA社からの連絡を受けた翌月1日からとなる。連絡のタイミングは申し込み時の混み具合によって変わる場合がある。」くらい併記しても良かったのではないかと思う。
ショップの返金の提案に即刻応じると、数日後に現金書留で某ISPの7月利用分の料金が全額返金された。
私としては返金に応じてもらえたし、きちんと謝罪もしてもらったので結果的に満足だったが、きちんと対応してくれたA社支店がA社本部・某ISP事業者・私の間に挟まれて気の毒だったし、A社から某ISP業者側へのコース変更の連絡が1ヶ月以上かかった原因は知らされず仕舞いだったので、もう少し動くことにした。
私のような被害者が他に出ないようにするためでもあるし、A社~某ISP業者間の連携不足と規約の詰めの不十分さをきちんと両社に認識してもらうためにも。
A社本部と某ISP業者それぞれに連絡を入れ、『御社支店の対応は大変良かった。ただ、今回はA社光の制度と某ISP事業者が定める制度も案内が不十分で、客への案内はもちろん、本部→支店への案内や内部の情報共有にも問題があったと感じた。A社本部と某ISP事業者間の連携確認や規約の詰めが甘かったのではないかとも思った。某ISP事業者が「独自のルールがある」と、規約に記載のないことを突然主張し、客側に理解を求めるのはおかしい。うちがA社光を申し込み後、A社から某ISP事業者側へ連絡がいくまでに1ヶ月以上かかったのもおかしいし、結局この件は未だに回答されていない。A社 → 某ISP事業者への連絡手段はあるが、某ISP事業者 → A社への連絡が手段がなく一方通行となっているのも問題だ。某ISP事業者側がA社に情報を照会したり問い合わせができないのもおかしい。双方が連絡できる手段を構築し、情報照会や問い合わせが容易にできる体制を作るべきだ。何しか双方の連携不足と一方通行な制度がネックになっていることが、私のような素人目で見てもわかる。振り回されるのは客だ。今後私のような被害者を出さないためにも、きちんとした案内と対応を心がけてほしい。重要事項は例え文量が多くなったとしても、規約にきちんと明記すべきだ。きちんとしないと、あなた方企業の信用問題にも関わる。』と伝えた。
現在は改善されているのだろうか?
第2・第3の被害者が出ていないと良いのだが・・・。
ちなみにうちの会社は今もA社光を継続利用している。
最初の契約時以外のトラブルはなく、インターネット関連のコスト削減はきちんとできているので契約後に関してはサポート体制も含めて申し分ない!!
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