記事作成日:2020年09月21日(月)
飲食店経営の知人から連絡があった。
厨房設備に不具合が生じたらしい。
何の設備か聞いたが、上手く説明できない様子で「厨房の床にあるものがおかしいんだよ!」としか言わない。
その人は中国人で多少の日本語は話せるのだが、たまに意思の疎通が難しいことがある。
今回はそのパターンだと思い、仕方なく向かった。
確かに厨房の床にあるものがおかしかった。
厨房のほぼど真ん中の床には、直接排水できるように幅10cm・長さ4m・深さ20cm程度の溝が掘られている。
その溝に置かれている金属の蓋が経年劣化で朽ち果て、そこへ人や調理器具の重みが加わって大きく歪んでいたのだ。
今までは何とか耐えていたが、このまま放置すれば崩れて事故になりかねない。
蓋は1枚あたりの長さが1mで、溝の長さは4mなので4枚設置されていた。
4枚のうち3枚が危険な状態だった。
聞けば30年ほど前に設置された蓋だそうだ。
この溝には毎日油分や塩分を含んだ水が大量に排水される。
更に蓋の上を複数の料理人が慌ただしく動き回り、重たい調理器具が通る。
しかも狭い厨房のため、蓋には常に荷重や摩擦が発生している状況だ。
これでは金属とはいえ、30年も経てば朽ちるのは当然だ。
むしろよく持ったなぁと。
知人が上手く説明できなかったのは、「蓋」と「排水溝」という言葉が出てこなかったからだろう。
私が教えると、「あ、そうだ。蓋だった!!蓋を新しいのに交換したいの。」と。
ネットでも探そうとしたらしいが、検索キーワードすら分からなかったから私を呼んだようだ。
「商品代と手数料はきちんと支払うし、前払いでも良いから蓋を探してもらえない?」と言われた。
中国の方は手数料とか前払いとか、お金に関する言葉は特によく覚えている印象だ(笑)
探すことは嫌いではないので引き受けることにした。
まずは「溝 金属の蓋」で検索してみた。
さすがはグーグル先生!一発で出てきた。
「溝蓋(みぞぶた)」「側溝(そっこう)の蓋」はグレーチング(U字溝グレーチング)と呼ぶそうだ。
イメージが沸かない人は こちら(グレーチングの写真が多数あり)
後はAmazonやホームセンターのサイトで探すだけ。
蓋の外寸を測って探しがちだが、「実際の溝の幅」を測ることが最重要!
先述の通り、溝の幅は10cmだ。
特注品の蓋だったらどうしようか不安はあったが(かなり細部までこだわって作った厨房と聞いていたので)、「溝幅10cm(100mm)」のグレーチングで探すと現在設置のものと全く同じサイズ(外寸)がヒットしたので幸いだった。
従って今回も蓋は4枚必要。
値段は大体どこの店舗も同じだが、仕様によって1枚あたり2000円後半から3000円半ばくらいで別途送料。
仕様というのは耐荷重量(歩行者用からトラックの通過にも耐えられるものまで)や網目の細かさ(並目・中間目・細目)、滑り止めの有無など。
重たい鉄板のため、送料が相当高く付くのではないかと思ったが、条件付き(一定額以上の購入)で無料になるところが多かった。
4枚購入だと1万円を超えるので条件クリア。
よし購入だ!とはならず・・・念の為保険をかけることにした。
今と同じサイズなのはわかっているのだが、メーカーは現在使っているものと異なるから(朽ちているせいでメーカーも不明)、万が一ピッタリ入らなかったらどうしようかと・・・。
返品不可と書いてあるサイトもあったし、返品できたとしても手続きが面倒で時間もかかる。
それにサイズ変更はこちら側都合の返品だから、送料は当然全額負担になるだろう。
人から頼まれた買い物だからこそ、特に余分な費用を発生させたくなかった。
「あの人に買い物を頼むと安く付く」と思ってもらえると嬉しいからだ。
とりあえず1枚だけ買って設置してみて、フィットするようなら残り3枚を買うのが最良だと思った。
仮にサイズが合わなくても返品は1枚だけなので送料負担も少額で済む。
これでやっと購入できると思ったが、今度は購入時の送料無料の恩恵を受けられないことが分かった。
最初の1枚だけ購入に対しては条件を満たさないことは分かっていたが、後日残りの3枚を買った場合もギリギリ届かなかったのだ。
結局4枚それぞれに送料がかかってしまう。
自分自身の買い物ならこんな細かいことまで気にしないのだが・・・。
とりあえずネット購入は保留にして、ホームセンターとか実店舗へ行って現物を見てみることにした。
とにかく現物を見て、外寸から何から測れる部分は全部メジャーで測って、現在設置のものと完全に一致しているか確認作業だけでもしよう。
サイズが明確になるだけでも前進だろう。
型番だけメモして持ち運び手段が確定してから購入することにした。
というのは自転車しかないので、購入しても持ち運びをどうするかが問題だった。
車は家族が所有しているが、本人以外の運転には保険が効かない契約になっていた(保険料を安くするためらしい)。
せめて車の便だけでも知人に確保してもらおうと頼んだが、知人自身も知り合いもみんな免許を持っていないのだそうだ。
レンタカーやカーシェアリングするくらいならネット購入の方が絶対に安い。
どの手段で動くにしても肝心な部分が足りなかったのだ(笑)
自転車で持ち帰るにしても、荷台に載せられるかどうか分からず(幅14cm・長さ1m・重さ4~5kgの鉄板)、下手すれば自転車を引いて帰ることになる。
また、徒歩だと急な坂道が何箇所もある道を持ち運ぶことになり大変。
しかも4枚購入だと何往復かはしないといけない・・・考えるだけでもゾッとした。
取扱店も型番も分かったことだし、こちらは相応の努力はしたつもり。
心苦しいが、後は持ち運び手段を知人に考えてもらって自力で何とかしてもらおう。
知人にそう返事しようと思っていたタイミングで、「彼岸だし墓参りに行かないと。車で行くけど都合はどうだ?」と家族から連絡が入った。
これだ!この便に便乗して鉄板4枚を一気に運んでしまおう!
墓参りよりも鉄板を運ぶことで頭がいっぱいだった(笑)
そして無事、墓参りの帰りにホームセンターへ寄ってもらって一気に4枚購入。
念には念をと、ここでも保険をかけた。
購入前に現在設置のものとサイズを再度比較しながらメジャーで測ったし、万が一サイズが合わなかった場合には即日返品という条件で返品可能か交渉もしてお店側から許可をもらっておいた。
家族にも返品が必要になった場合はもう一往復頼むとお願いをしておいた。
これで完璧だ!
予定通り購入し、早速知人の店舗に行って蓋を設置してみた。
しっかりフィットし、返品なしで一件落着!
金額は4枚で13,000円程度で、仕様は並の網目で2tトラックまでの耐荷重量のもの。
正直2tまでの耐荷重は必要ないが、そのホームセンターで1番安いランクのものがそれだった。
知人は1枚だけで数万円はすると思っていたらしく、かなり安く付いたので大喜びだった。
私も総額10万円は軽く超えるだろうと思っていたので意外だった。
ちなみに網目の細かいものや滑り止め付きの仕様だとお値段は上がるが、それでも1枚あたりプラス1,000円程度。
溝の金属の蓋=グレーチングという名称も初めて知ったし、U字溝用グレーチング(更に仕様が色々あることも含めて)というもので検索すればOKと分かり、今回は色々と勉強になった。
心配性のせいでかなり遠回りしたが、実はこれは2日間の出来事。
知人から依頼を受けた直後に色々手段を調べ、当日中にホームセンターへ足を運んで実際の商品を見た。
翌日が墓参りだったので、その帰り道にホームセンターへ寄ってもらって購入したのだ。
たった2日で解決したことも喜んでくれたし、金銭的にも時間的にも無駄は発生しなかった。
私自身も満足したし、早く片付いてホッとしたので結果良ければ全て良し!
0 件のコメント:
コメントを投稿