2016年7月8日金曜日

【レポート記事】プロバイダ各社の通信速度低下の問題

記事作成日:2016年07月08日(金)
最終更新日:2018年09月04日(火)


インターネットサービスプロバイダ(以下、プロバイダ)とは、インターネットへの接続サービスを提供する事業者のことです。

英語表記はInternet Service Providerで、ISPと略されることもあります。

近年、プロバイダ各社の光回線の通信速度低下が問題になっています。

速度低下するのは、平日の夜間(特に20時から24時)と休日で、概ね決まった時間帯です。

当初、プロバイダ最大手でこの事象が起こるようになりました。

改善される様子もなく、泣く泣く他のプロバイダに乗り換えたユーザーもいます。

しかし、やがては他のプロバイダでも同様の事象が起こるようになりました。

住宅向けの固定型インターネット回線の人口は、ブロードバンド回線(ADSL回線や光回線など)の登場や家庭向けパソコンの普及で急増しましたが、それはもっと前(2000年前半)の話。

今では殆どの家庭にインターネットが導入されており、正直なところ飽和状態です。

ネット人口が急増したわけでもないのに、どうして突然通信速度低下が起こるようになったのか。

プロバイダSo-netは「近年、インターネットのサービスでは、動画の視聴サービスなど従来に比べ大きなデータのやり取りが増え、お客さま一人あたりのデータ通信量が増大する傾向にあります。それにより、一部の地域において、お客さまのご利用が集中する時間帯にインターネット回線が混み合い、通信速度が低下する場合があります。」(2016年3月10日:「ひかりサービス回線設備の増設工事予定・完了状況のお知らせ」より引用)と、原因を明記していました。

近年、ドラマ・映画・アニメなど多くの作品を毎月定額で視聴できる動画サービスが始まりました。

ビデオレンタルのように店頭に行く手間がなく、好きな時間にいつでも視聴できる上、返却期限に追われることもないので延滞料金の心配も不要です。

インターネット回線と端末(パソコン・タブレット・スマートフォンなど)さえあれば視聴環境が整うので、大半の家庭ですぐに利用できます。

さらに入会金はかからないため、クレジットカードさえあれば誰でも簡単に契約できます。

メリットが多いことから契約者が急増して急成長したビジネスです。

参入業者も増え、価格競争も始まりました。

こういったサービスの普及により、一人あたりの通信量が急増したのです。

複数の長編動画の視聴が当たり前の時代になりました。

動画1本あたり少なくとも数百MBで、HD画質など高画質モードで配信されている動画だと数GB単位の容量になります。

YouTubeやニコニコ動画など、以前から動画配信サービスはありますが、それらより長編の動画(映画だと数時間)が多いため、その分通信容量も多くなります。

多くのユーザーが一斉に高画質な長編動画を視聴したらどうなるでしょうか?

大量通信を一斉にする事になります。

プロバイダ各社は決して何も対策していないわけではありません。

事象発生当初は確かにその実態把握に時間がかかり、具体的対策を講じるのにも時間を要しました。

しかし、今では出来るだけ多くの人が快適にネット利用できるように回線を増設し、混線回避策を講じています。

ただ回線を増設しても、通信量の増加は止まらないため、なかなか追いついていないのが現状です。

当然、回線増設の導入コストや予算の問題もありますので、今日明日ですぐに改善できる問題ではありません。

現行プロバイダの対応に我慢できず、違約金を支払ってまで(入会当初に受けたキャンペーンによっては最低利用期間などの条件付きの場合がある)他社に乗り換えてしまうユーザーもいますが、今より改善されるかどうかは実際に乗り換えてみないと分かりません。

今と変わらない、あるいは今より酷くなるという可能性も十分考えられます。

しばらくは現行プロバイダで我慢し、気長に改善を待つのが無難なのかもしれません。

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